日本三大船祭り
貴船まつりは、宮城県の「塩竈みなと祭」、広島県の「厳島神社の管絃祭」とともに「日本三大船祭り」の一つです。毎年、7月27~28日に開催されます。

国の無形民俗文化財に指定されている貴船まつりは、豊漁、無病息災を祈願する真鶴伝統の海の祭礼。
古来より、貴船まつりは「恩返しのまつり」と言い伝えられており、漁業や海運業、石材業における大漁や安全の祈願とともに、日常の安泰な営みへの大いなる加護に深く感謝するお祭りです。

お祭りの大まかな流れは、
7月27日:水浮(進水式)、貴船神社へのお迎え、鹿島踊り奉納、神輿発輿祭(みこしはつよさい)、海上渡御、禊、仮殿祭、花山車(はなだし)着納
7月28日: 発輿祭、鹿島連・花山車・神輿連、囃子の町内巡行、お送り・海上渡御、貴船神社への還御、津島神社への鹿島踊り奉納
海上渡御では、先頭から、櫂伝馬(東西2隻)⇒ 小早船(東:東明丸、西:貴宮丸)⇒ 神輿船、その両脇を囃子船(東西2隻)の計7隻が航行します。
手漕ぎの櫂伝馬(かいでんま)2隻は、後続の小早船と神輿船を曳航するので、漕ぎ手の方は、相当の力が必要だと思われます。しかも、航行の途中から競漕も行われます。
あいにく、2018年は台風でお祭り自体が中止、2019年も風の影響で、海上渡御が中止となりました。

残念ながら海上渡御は、見ることができませんでしたが、今年はド迫力の神輿発輿祭は、見ることができました。

神輿発輿祭では、貴船神社の108段の急な階段を、大勢の担ぎ手と神輿が下りてくるという非常に見ごたえのあるシーンがあります。

事前にこの108段の階段を歩いてみましたが、とても神輿を担いで上り下りするなんて、自分には想像できないくらいの傾斜でした。
鹿島踊りは、浴衣姿に3色の色帯、揃いの手甲飾りをして、悪疫退散と大漁・海上安全を祈願する踊りです。
神輿が進む道には、必ずその前に、鹿島踊りや花山車が通り、神輿が通る前に道を清めるという意味があるそうです。

ここに来るまでは、規模的に大きな神社では無い貴船神社が執り行うお祭りが、なぜ国の無形民俗文化財に指定されているのかが、よく分かっていませんでしたが、実際にこのお祭りを見てみると、多くの真鶴の人達が、江戸時代からこのお祭りを大事に引き継いで来た深い想いが感じられ、納得することができました。
<電車の場合>
JR東海道線(普通)小田原駅 ⇒ 真鶴駅(13分)、真鶴駅から徒歩15分電車の場合> JR東海道線(普通)小田原駅 ⇒ 真鶴駅(13分)240円、真鶴駅から徒歩15分。もしくは、伊豆箱根バス ケープ真鶴路線の魚市場バス停下車(4分)170円