【九頭龍明神の祭典】
芦ノ湖の守護神、九頭龍明神の祭典である「湖水祭」は、毎年7月31日に行われます。
湖水祭は、箱根大名行列、箱根強羅夏祭り大文字焼と並ぶ、箱根三大祭の一つです。
箱根神社での庭上の儀の後、御供船に乗った箱根神社宮司ただ一人が、湖心に出向き、九頭龍明神に御供物(三升三合三勺の赤飯)を供える一社伝来の特殊神事です。

御供物をお供えをする場所は、代々の宮司だけしか知らない極秘事項で、お供えを沈めたら振り返ることなく、戻ってこなくてはならないそうです。
年配者に教えてもらったのですが、
過去に一度だけ、お供えした赤飯が湖面に浮かんできたことがあるそうです。
それは、1923年(大正12年)。
その1か月後の9月1日に、あの関東大震災が起き、芦ノ湖周辺でも大きな被害が出たそうです。
厳かなお祭りに秘められた不思議なエピソードです。
御供船が湖上に出たあと、数百の灯籠が流され、約4,000発の花火が打ち上げられます。

湖水に浮かぶ筏から打ち上げられる花火は、かなり近距離のため、大輪に見え、また爆発音も大きく、とても迫力があります。
湖畔では、地元の太鼓や囃子、全国で活躍する和光太鼓グループが、一同に集まる「太鼓フェスティバル」も開催されるので、こちらも見ものです。
また夜店の数も多く、夏祭り気分を満喫できます。
隅田川や多摩川の花火大会の様な、激しい人混みでは無いので、ゆとりを持って、楽しむことができました。
帰りのバスは、そこそこ並びましたが、都心の大きなイベントに比べたら、全然、許容範囲内です。
湖畔のホテルに宿泊して、このお祭りを楽しめたら、最高ですね。